2015年2月 3日 (火)
2015年1月に東京ビッグサイトで開催された、ウェアラブルEXPO 装着型デバイス産業展。健康・医療をテーマとする我々も視察に行ってまいりました。
2018年には現在の1.5倍の1兆2,000億円市場になると予測されるこの分野、予想はしていましたがものすごい人でした。健康分野では既に発売されているブレスレット型健康管理端末「UP」なども出展。メガネ、ブレスレット、はたまたサーバから布まで、さまざまなものが一同に集まっています。出展数は100社程度と同時開催のエキスポよりも少ないのですが、ウェアラブルEXPOのエリアだけが、まともに歩けないほどの人だかり。汗ばむほどの熱気の中進むと、体験ブースは長蛇の列です。この分野の注目度の高さがうかがえました。
作業現場をサポートするbrother
メガネ型のウェアラブルと言えば、某コミックの「スカウター」を思い浮かべる方も多いと思います。その名を冠したのがブラザー工業の「AiRScouter」。ヘッドマウントディスプレイで、左目の端に小さなモニターがあり、そこに映る情報を手元の視界を遮らず、確認することができます。医療機器のサブモニター、遠隔から指示を受けたものをディスプレイに写し、手元の作業を行うということです。すでに、医療機関や建設現場など20社近くが導入を検討しているそうですが、この日は実際に体験してみました。
横から見ると目を完全に覆っていますが、実は左目のこめかみあたりまでしかありません。モニターは小さいながらはっきりと見えるので、手元の作業とモニターの確認を容易にできそうという印象。
作業現場やドローン操作など、さまざまな場所に使えます。ウェアラブルとしてはGoogleGlassと似ていますが、日本市場においての市場開拓はこちらの方が先のようです。現場を支える質実剛健なウェアラブル、これからの成長に期待です。
GUNZEは自社開発の布でウェアラブル開発を支援
下着で有名なグンゼも出店していました。100社程度のエキスポのうち、3割程度がソリューション製品ではなく、ウェアラブルを活用するためのインフラ商品やサービスを紹介しています。グンゼもそのひとつ。電気伝導が可能な繊維を使ったピアノの鍵盤として使える布やコイルが並んでいます。具体的にこれをどう商品に活用していくかは検討中とのことですが、現在開発会社と話を進めているとか。
私たちC-LABも、このような技術の情報を集め、新しい製品を具体的に作っていくアイデアを出していければと思います
ペットライフを豊かにするスタートアップ、anicall
最後は動物につけるウェアラブルガジェットです。ソフトウエア開発のベンチャー企業、株式会社Anicallが開発した「カウコール」は乳牛の個体管理システム。ビーコンを通じて品種や出生時期、発情・出産期も管理できるので、生産安定をシステムから支えます。
同社はペット向けのウェアラブルも開発。大切な家族の一員であるペット。迷子にならないよう、健康でいられるよう、楽しい気持ちでいられるよう、気にするポイントは人間と同じです。「アニコール」はこれらを可視化できるガジェットとアプリです。首輪につけたジャイロセンサー・バイタルセンサーから取得したデータを解析して、ペットの行動や感情、健康状態をスマホで見れるというものです。会場ではゴールデンレトリバーと、同社看板猫のにゃんたが端末を付けてお出迎えしていました。2015年3月に3000円程度で発売予定とのこと。アプリは無料、端末も安いとなると、試してみたくなりますね。
「これから」の可能性が詰まったウェアラブル市場
最今回印象的だったのは、既に完成したガジェットだけでなくサポートサービスや技術なども出展していたこと。おそらく今後は、それぞれの分野でエキスポができるくらい独立する、成長分野だと思います。それが感じられるほどの人の熱気がありました。
健康・医療といった人生を豊かにする分野に非常に親和性の高いウェアラブル。これからもC-LABではこの分野に注目していきます。
キーワード: EXPO,ウェアラブル,体験レポート,展示会
カテゴリ: 活動報告・レポート,コラム,機械・部品